わが子を必ず「英語好き」にする12冊
世界の人と心を通わせる「国際人」としての土台づくり
英語ができるようにしたいと子供に本を与えるとき、親が選びがちなのは、英会話や辞書などの“教材”だ。
だが、小学校英語の学習指導要領づくりに携わってきた文教大学の金森強教授は「言葉より先に、『外国に行ってみたい』『外国の人と友達になって話をしたい』という思いを育むことが大切」と、世界への興味を広げる本を提案する。思いが育てば、自ら英語を学ぼうとするからだ。逆に思いが育つ前に教材を与えられると、英語がつまらなくなることも。
「最近は早期教育によって、学校で授業が始まる頃には“英語ギライ”になっている子がいます。そうなるとなかなか伸びないので、キライにだけはしないでほしい」
また、外国への興味とともに「自分とは何者か?」を考えることも、国際教育の重要な柱だという。
「自分や生まれ育った国を知り、大切にできると、外国の人も同じように尊重できるようになります」
学びたい気持ちが高まったとき、美しいビジュアルや音に触れられる教材があればぐんぐん伸びていく。
「従来の英語教育の失敗は、音声としての英語の学びが圧倒的に不足していたこと。音声言語としての英語力を十分に育てられませんでした。そこを補う教材という視点で選びました。絵本はYouTubeで読み聞かせがたくさんアップされているので、ぜひ、聞いてみてください」
【英語:いろんな国に出合う編】
めくれば冒険。未知の国を発見する
『キッズペディア 世界の国ぐに』(小学館)
世界197カ国の基本情報に加え、暮らしや文化、歴史などが詳しく解説されています。楽しく眺めているうちに、英語ができるようになれば世界のいろいろな国の子と仲良くできるのではないかと感じられる本。静かに読んでいるとき、子供は冒険中です。声はかけないで。
イメージの翼が広がる詩の世界
『あさ』(アリス館・文=谷川俊太郎、写真=吉村和敏)
子供たちに読んでほしい「朝のリレー」が収録された詩集。いろんなことを感じたり、考えたりすることで、世界を新たな視点から楽しめるようになるかもしれません。自分や外国に住む同年代の子供たち、その暮らしが豊かにイメージできたら、子供は大きく成長します。