*本稿は、『プレジデントFamily2018年秋号』の一部を再編集したものです。
わが子を必ず「国語好き」にする10冊
言葉の秘密を探って、物語にどっぷり浸ろう!
国語で伸び悩む子には、主人公の感情のほか、そもそも問題で何を聞かれているのかを正しく読み取る力が足りない場合が多くあります」と、18都府県で教室を展開する花まる学習会の平沼純さんは説明する。
力をつけるためにはどうすればいいのか。平沼さんは、言葉の表現に対する興味を高め、語彙を増やすことが大切だという。そこでおすすめしてくれたのが下記のリストです。
「知っている言葉が増えていくと、抽象的な表現も具体的な言葉に置き換えて理解できるようになります。まずはいろいろな言葉があると知ることができる本に触れて、語彙の幅を広げてみてはどうでしょう」
語彙力がある程度培われたら、物語を読みその世界に浸ってみよう。
「物語の世界にどっぷり漬かり、自分なりにイメージしながら読む体験で、読書がどんどん楽しくなります。とくにファンタジーはおすすめです」
本を薦めるときに注意したいのは、無理強いし過ぎないこと。
「子供は押し付けがましさを感じると読もうという気持ちがなくなってしまいます。親御さんが読んでみて面白いと思った本があれば、それを『分かち合おう』と思うことが大切です。10歳くらいまでは読み聞かせ、高学年の子には『面白いよ』と言ってさりげなく渡してみる程度で十分です。たった一冊との出合いで本好きになることがあります」
【語彙が豊かに! 編】
黒幕、二枚目……よく使う言葉の語源がわかる
『国語のなぞ①』『国語のなぞ②』(草土文化・青木伸生)
「黒幕ってどういう意味?」「音読みがいくつもあるわけは?」など言葉に関する素朴な疑問に答えてくれる、筑波大附属小の教諭による解説本。1テーマ1見開きの構成で、言葉の魅力が伝わってきます。設問を読んで、一緒に考えてから説明を読むのもいいですね。言葉への関心が高まります。
「もぐもぐ」だけじゃない! 豊かな食の擬音語
『おいしいおと』(福音館書店・文=三宮麻由子、絵=ふくしまあきえ)
レタス、みそ汁のワカメ、ウインナーなど食卓に並ぶ料理を食べたときの音を表現した絵本。著者は実は幼くして視力を失った方で、見たことのないものを音で表現しているわけです。春巻きを食べる音も、食べはじめと途中で変わるなど表現の幅の広さに驚きます。すでに擬音語を知っている小学校高学年の子が読むと新鮮に感じるでしょう。
動詞、形容詞、形容動詞がいっぱい身につく
『言葉図鑑』(全10巻・偕成社・五味太郎)
動詞は「うごきのことば」、名詞は「なまえのことば」など1巻ずつテーマに分けた品詞を紹介している本。数多くの言葉が五味さんの絶妙なイラストとともに載っているので、感覚的に文法が理解でき、語彙も広がります。絵本ですが、難関中を狙う高学年の子供でも活用できるほど充実しています。
▼『プレジデントFamily 2020春号』好評発売中!
『『プレジデントFamily 2020春号』は特集「この一冊で不安が吹き飛ぶ 受験大混乱! わが子がトクする進路」として、「中学受験する? 公立は大丈夫? 将来輝く道が見つかる タイプ別『進路マップ』」「灘、開成、桜蔭、早実小……名門校・校長20人アンケート 家庭学習『これだけでいい』アドバイス」「医学博士、Amazon社長、国際政治学者のパパママがわが子にさせたいたった一つのこと」などの記事を紹介しています。ぜひ手に取ってご覧ください。