安倍首相の要請で始まった「一斉休校」で時間を持て余す子供が増えている。塾講師の松本亘正氏は「時間があるからといって、子供に普段やらない勉強を無理強いすると、親子関係が悪化する恐れがある。この時期に家庭学習を促すうえで、おさえてほしい3つのポイントがある」という――。
コロナ休校のせいで「親子バトル」が急増している
「コロナ休校」によって、春休みは1カ月の長期休暇になった。
私は中学受験専門塾の講師として、この1カ月が後々大きな差になると考えた。だから、今回、塾生には休講分の教材だけではなく、学習日の目安を入れた特別課題を出した。
なぜ「学習日の目安」を入れたのかというと、家庭内バトルを減らすためである。
長時間、子供が家にいる。親は仕事に行っているから管理ができない。子供はちゃんと家でやるべきことはやっているだろうか。この時点で、すでに、親には不安がある。仕事しながら、気が気じゃない。
帰宅すれば、カチンとくる。「え、何で? 何でこれだけしかやっていないの?」。子供は子供だ。社会が緩めば自分も緩む。結果、課題消化率も低くなり、だらける。当然、親は小言の一つも言いたくなるだろう。
共働きより片働き世帯のほうがバトルが壮絶なワケ
それだけならまだよい。
たとえば片働き世帯であったり、在宅勤務だったりすると、親子が一緒に自宅にいることになる。すると、親子関係はさらに悪化しやすい。
だらだらと過ごすわが子を目にして、つい怒りにまかせて“口撃”してしまう場面もあるだろう。それは当たり前のことである。親の期待値は高いもの。その分、現実とのギャップが怒りに変わるのである。
普段から放任主義の子育てであれば感情も抑制できる。一方、管理したいが時間の制約でできないと思っているタイプは危険である。特に、後者のタイプに向けて、家庭内バトルを減らす方法をお伝えしたい。