家庭内バトルを減らす方法3「処理能力を鍛える勉強に特化する」

時間があるからといって、高い理想を掲げてもうまくいかない。では、具体的にどうすればいいのだろうか。こうした場合、おすすめは計算や漢字などのドリルだ。

教育の概念、一生懸命勉強している少年
写真=iStock.com/takasuu
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家庭学習ではどうしても一人で勉強する時間が多くなる。できるだけ子供一人で勉強できるもの、親の関わりが少なくて済むものを選ぶ必要がある。よって記述式の問題集はスパッと諦めたほうがよい。

学習のテンポをつかむことも重要だ。深くじっくり考えるものはなかなかはかどらない。そうなると勉強に飽きてしまう恐れがある。また小学生の段階では、自主学習を器用にすすめるのは難しい。一人で取り組むのであれば、さっと解けるものをたくさんやらせるのが効果的である。

親がイライラしなくてすむ、コロナ休校向けの国語ドリル

小学生向けの「国語」の場合、以下の2冊の問題集をおすすめしたい。

(1)低学年向け「ドリルの王様 文章読解」(新興出版社)

小学1~3年生におすすめ。記号やぬき出しの問題が中心で、記述問題は少ない。記号や抜き出しの問題は、答えが一つしかない。このため採点時に迷わずに済む。

正解と不正解の基準がはっきりしているため、低学年でも自分で採点できるし、親が採点する場合でも、「家庭内バトル」を避けることができる。

(2)高学年向け「学習塾トップ講師がすすめる 読解力アップ直結問題集」(実務教育出版)

小学5~6年生におすすめ。読解の基礎を、段階を踏んで学べる。ほとんどの問題が指示語の内容や接続詞の使い方を問うもので、正解がハッキリしている。さらにすべての問題には「例題」と「解説」がついており、一人でも学習しやすい。採点して○か×かの確認をしたらそれでおしまい、つまり「やりっぱなし」とはならないのが本書の魅力だ。

これらはあくまでも一例だ。問題集はこの2、3週間で確実に終わる1冊を選ぼう。何冊も購入して終わらないということだけは避けたい。

なお、中学受験を意識した国語学習をしたい場合は、私が代表を務める塾が毎朝アップしているユーチューブのコンテンツ「0時間目のジーニアス:おもしろくてためになる語彙動画」を見るといいだろう。難関校の国語の入試問題で実際に出題された「馬が合う」「鵜呑み」といった重要な語彙を楽しく覚えられる。

上記は主に小学生向けだが、中学生向けにもひとつ。家庭教師のトライが提供しているサイト「トライイット」だ。ユーチューブで配信されており、登録不要で視聴できる。私は「中学社会」(歴史・地理・公民)の解説をしている。歴史分野は中学受験向けにも活用できるので小学生にもおすすめだ。

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