あと、会議の雰囲気が悪くなったり、モチベーション的に下がっているという場合は、修正しようがないので、一旦、そこで会議を止めてしまう。そしてその際、次にこれと同じ会議を「いつやるか」を決めるんです。こういうときは仕切り直しが必要です。

発言しない会議って何だ

声の大きい人や主張を譲らない人対策で、どうすればいいかですが、私は「会議で発言させなきゃいい」というふうに言っています。みなさん「えっ?」って驚くでしょ。発言しない会議って何だそれは、となる。実は、簡単な方法があるんです。色分けした付箋を渡し、テーマに沿った一人一人の意見や思い、アイデアを書いてもらうんです。こうやれば事実関係が残ります。

今風に言えばエビデンスを取るということです。それをホワイトボードに貼り付けて、意見を並べるだけで、同じ意見と違う意見が一目瞭然です。思い付きで口にするからぶれるし、言った、言わないとなって混乱してしまうわけです。

当社(武蔵野)の会議は明確なルールを設けています。報告するのは、数字、お客様の声、ライバル情報、取引先の情報、そして最後に自分の考え。たったこれだけなんですが、ここで大事なのは順番です。

一般的な会社の会議は、まず自分の意見が最初に出てきます。これがまず違います。数字は厳然たる事実ですから、ここを中心にして話を進めていくべきです。会社の数字が上がっているときにやる会議なのか、下がっているからやる会議なのか、横ばいの状態にあるのかで、会議の目的が違ってきます。上がっているなら更に上げようとなるし、下がっているならどう対策するかとなる。

会議のときは付箋を使うと言いましたが、社長や本部長、部課長の考えは、最後に示すようにするのもポイント。職責下位から順に発信するようにすれば、同調圧力に引っ張られる雰囲気を和らげることができる。職責上位からだと迎合する人も出てきますから。

(構成=篠原克周)
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