めんどうがらずに雑談をすることがボケ防止になる
そもそも、言葉は脳の表現形であり、「考えたことや頭に浮かんだことを言葉に出して誰かに伝える」という行為は、それだけでけっこうな脳の刺激になっているもの。この「発語」の機会がガクンと減れば、当然、脳への刺激もガクンと減ってしまうことになります。
そして、刺激が減れば、脳が老化したり衰えたりするリスクがぐんと高まってしまうことになるわけです。
ですから、男性の方々は脳を衰えさせないためにも、コミュ力を鍛え、なるべく頻繁に会話を交わすようにしていくべきです。
とくに大事なのは、日常レベルの他愛もない世間話です。たとえば、「今日の朝ドラはどうだった?」とか「2丁目に新しいラーメン屋ができたの知ってる?」とか「明日は急に気温が上がるんだってさ」といった当たり障りのない会話が「毎日ちゃんと交わされている」ことが肝心なのです。
男性は、「筋道を立てて論理的に話す会話」はわりと得意であり、そのため、話を組み立てたり言葉を選んだりして考えてから話す傾向があります。言わば、「話をすること」に対してけっこうな労力をかけてるんですね。
ただ、どうでもいいような当たり障りのない会話となると、「そんなこと、わざわざ話さなくてもいいことだよな」と、めんどうがってあまり口を開きません。要するに、よけいなエネルギーを費やしたくなくて労を惜しんでいるのです。
しかし、どんなにつまらない会話であろうとも、男性はしゃべることに対して労を惜しんでいてはいけません。とくに会社を定年になった後は、「労を惜しんで口をつぐんでいたら、脳の衰えはどんどん加速する一方だ」くらいに思っておいたほうがいいでしょう。
男の寿命はどれだけ喋るかによって決まる
もっと言えば、どれだけ多くの言葉を発するかは、その人の寿命にも大きく影響してきます。高齢者の場合、日頃からしっかり「発声」「発語」をしていないと、のどの筋肉が衰えて飲み込んだり呼吸をしたりする機能が衰えがちになるのです。
こうした機能を早い段階で衰えさせてしまうと、誤嚥性肺炎などを起こして命を落とすリスクも高まります。
とにかく、男の寿命はどれだけたくさんの言葉を発するかどうかによって決まってくると言っても過言ではないのです。ぜひみなさんも日々の何気ないコミュニケーションを大事にして、言葉で脳を刺激しつつ長生きをしていくようにしましょう。