「正社員を否定するのか」という批判も起きた
——「採用やめよう」というコピーはどこで生まれたのですか。
結婚式に出た後、社内で議論をしました。新しい働き方について、世の中に議論を巻き起こすような広告キャンペーンをしようと、社外からコピーライターも招いて話し合いました。社内からは「もっと丁寧に説明するほうがいいのではないか」という意見もありましたが、最後は「採用やめよう」で意見がまとまりました。
——確かにコピーは刺激的でないと話題にならないとは思います。しかし「正社員を取るな」とも読めるメッセージを、新卒の面接解禁日となる6月1日に日本経済新聞の全面広告で展開したことで、「正社員を否定するのか」という批判も起きました。批判は想定内だったということですか。
全社集会で広告キャンペーンを説明した際、社員からもさまざまな意見が出ました。「今後ランサーズも正社員をとらないのですか」という質問が出たほどです。正社員をとらないというのは誤解です。私たちは正社員を否定しているわけではありません。
ランサーズでは200人の正社員と800人のフリーランスがいっしょに働いています。私の秘書業務はタイ・バンコクにいるフリーランスにも手伝ってもらっています。かつては執行役レベルのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)もフリーランスでした。
今後も正社員をもちろん採用しますが、基本的にフリーランスでできることはフリーランスにもお任せするのが、ランサーズが求めている働き方です。そういう働き方にアップデートしたいと考えているのです。