——事務的なサポートにとどまらず、社会保険や年金に関するサポートも必要ではないでしょうか。いま世界各地で配車サービス大手Uberに対する反対運動が起きています。その訴えは「フリーランサーを労働者として認め、プラットフォーマーが社会保険などを負担すべきだ」というものです。ランサーズの取り組みはいかがでしょうか。
年金については話し合ったことはありませんが、現在保険や教育等の一部のサービスを行っております。社会保険制度についてはランサーズ1社で対応するのは難しいと思います。業界団体などで考えなくてはいけない課題だと思います。
フリーランスの多くは正社員を望まない人たち
——政府は副業、兼業を増やそうとしています。その際、正社員を前提にした社会保険や年金の制度も含めて変えていく必要があるはずです。正社員を前提にした制度のままフリーランスが増えると、フリーランスという働き方を選んだ人たちが不利益を被る恐れはありませんか。
正社員とフリーランスとを分断した考えではなく、新しい働き方を前提にした新しい制度を作ったほうが良いのではないでしょうか。
フリーランスの多くは正社員を望まずにフリーランスになった人たちだと思います。正社員レベルの福利厚生はなく、その分、責任は生じますが、自由に働ける。そんな働き方を選んだ人たちです。責任と自由のバランスをどのように保つかを議論しなければならないと思います。
政府が推進すべき取り組みとも連携し、その一方でランサーズも草の根の活動として、働き方のアップデートに取り組みたいと思います。
(聞き手・構成=経済ジャーナリスト・安井 孝之)