「塩分控えめ」とんかつの落とし穴

とんかつは、焼き魚や煮魚より塩分控えめです。とんかつ1人前(肉90グラム)の塩分量はだいたい1.0グラム。揚げ物ならではの香ばしさがあるため、下味の塩はそれほど必要ではありません。ですから、塩が臭み取りの役割も果たす焼き魚や、しょうゆを使った煮魚よりも塩分が抑えられるのです。

揚げ物類は総じて、煮物などのしょうゆを使うメニューより塩分は少なめです。しかし、からあげのようにしょうゆなど下味をしっかりもみ込んだものは別。からあげ3個(120グラム)の塩分量は1.1グラムと多めです。

話をもとに戻して、では焼き魚定食よりもとんかつ定食のほうが減塩メニューかというと、一概にそうは言えません。なぜなら、あとからかけるソースの量が問題だからです。

中濃ソースやとんかつソースは、大さじ1杯で1.0グラムの塩分が含まれます。それだけソースをかけたとすると、とんかつ自体の塩分と合わせて2.0グラムになり、結局のところ焼き魚と同じ量だけの塩分を摂ることになります。

しかも、とんかつだけでなく付け合わせのキャベツの千切りにもドボドボとソースをかけるという人もいますよね。そうなると、とんかつ自体の塩分は少なくとも台無しです。

とんかつよりも「エビフライ」がおすすめ

塩分を抑えるには、「とんかつといえばソース」と何も考えずにソースをかける習慣をやめること。できれば一度、レモンを絞り、ソースなしで1切れ味わってみてください。意外としっかり味がついていると感じたら、そのままで食べましょう。それでも少し塩気が足りないと思えば、そこで初めてソースに手を伸ばし、調節しながらソースをかけるようにしてください。

そしてとんかつよりも、さらに減塩メニューとしておすすめなのがエビフライです。エビフライはレモンを絞り、タルタルソースで食べます。タルタルソースのベースはというと、マヨネーズです。

ここでピンときた人は、調味料の塩分がだいぶ頭に入っていますね。こちらで挙げたように、マヨネーズの塩分は中濃ソースやとんかつソースにくらべ、だいぶ少なめでした。タルタルソースはマヨネーズより塩分はやや多くなりますが、それほど変わりません。ですから、ソースをかけるとんかつより、タルタルソースで食べるエビフライのほうが減塩メニューなのです。