外食は家で食べるよりも塩分が多くなりがちだ。どうすれば減らせるのか。管理栄養士の濱裕宣氏らは「『チリ積も』式なら、食事の満足感をなくすことなく、減塩することができる」という。具体的なメニュー例とともに、外食での減塩法を紹介しよう――。

※本稿は、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部/濱裕宣、赤石定典『はじめての減塩』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

栄養成分表示を見れば料理の塩分量がわかる

外食は、家庭で食べるよりもどうしても塩分が多くなりがちです。万人受けを狙うなら、それなりの味の濃さが求められます。そのため、下処理から下味、仕上げまでしっかり味をつけることになるからです。

味の濃さに加え、外食だと量も増える傾向にあります。食べる量が増えれば、塩分の摂取量も増えるという法則はもうおわかりですね。

※写真はイメージです。(写真=iStock.com/hungryworks)

最近では、健康志向の高まりで減塩を謳う店も登場していますが、まだごく少数です。となると、防衛策としてまず考えられるのは、できるだけ塩分の少ないメニューを選ぶことです。そのためにはどんな料理に塩分が多く含まれているのか、あらかじめ知っておく必要があります。

昨今、ファミリーレストランなどのチェーン店では、メニューに栄養成分表示を掲載しているところが増えています。そうした場合、塩分も必ず表示されていますから、お気に入りの料理の塩分はどのくらいか、チェックしてみましょう。一度、メニューをじっくり見てみると、料理によってかなり差があることが実感できるのではないかと思います。

お皿に残ったソースや煮汁は残すこと

料理の種類でいうと、塩分が少ないのは洋食、次が和食、一番塩分が多い傾向にあるのは中華料理です。もちろん、洋食でも塩分が高い料理はありますし、中華料理でもメニューの選び方や食べ方次第では塩分を抑えることができます。あくまで傾向として覚えておいてください。

そのほか対策としては、しょうゆやソース、ドレッシングなどあとからかける調味料の分量を加減すること。また、お皿に残ったソースや煮汁などは残すこと。さらに塩分が多そうな小鉢や付け合わせ、汁物などがあれば、それも半分くらい残しましょう。そうして少しずつ塩分をカットしていけば、「チリも積もれば」式に減塩できます。

では次から、具体的なメニュー例を挙げながら、外食での減塩のポイントを見ていきたいと思います。