「優等生型」なら存在感を消していい
礼儀正しく、決して道を踏み外さず、まじめ。4タイプの中で最もプレゼンが面白くないタイプ。でも決してがっかりする必要はありません。トリセツ通りにやれば、最強のプレゼンになる可能性を秘めています。
・存在感は、消していい
他の3タイプと比べて、優等生型は存在感が薄いのが特徴です。こんなときは、無理に存在感を出そうとすると、逆効果で「イタい」ことが多いもの。むしろあえて、いるのかいないのか分からないくらいに「存在感を消す」。ムリして存在感を出そうとすると強みが活きません。ひっそり立っていて「いたの?」と思われるくらいにすると、かえってあなたらしさが引き立ちます。
・「下手ウマ」が心地いい
優等生型が無理矢理雄弁に語ると、強みは活きません。いつも通り、ゴツゴツ話したり、ぽつぽつ話したりしてください。おじいちゃんがいろりの横で昔話を話すイメージです。無理に格好をつけないことで、人は心地よく話を聞いてくれます。
プライドを少し捨てれば周りが盛り上げてくれる
・「いじられキャラ」に徹する
優等生型は、意外といじられるのが似合います。チームメンバーにいじられても温厚そうにニコニコしていること。決して不機嫌になってはいけません。小学校のクラスにそういう人がいませんでしたか? ニコニコするだけで、ものすごく好感度が高くなります。
皆も安心して面白いことを言ってきます。プライドを少しだけ捨てると、あなたの周囲がどんどん盛り上げてくれます。
・優等生型の人物例:カラテカの矢部太郎さん
周囲への気遣いを欠かさず、素朴な語り口調は好感度が高い。もし矢部さんが雄弁に話し始めたら商品価値が落ちてしまいますね。
このようにジョブズの真似をする必要はまったくありません。たとえ緊張していても、ご自分のタイプを見極めた上で何を話すかを決めれば、より相手に強いメッセージを訴求できるようになります。ぜひお試し下さい。
トップ・プレゼン・コンサルタント、ウォンツアンドバリュー 取締役
桐朋学園大学音楽学部演奏学科卒業。極度のあがり症にもかかわらず、演奏家として舞台に立ち続けて苦しむ。演奏会で小学生に「先生、手が震えてたネ」と言われショックを受ける。あるとき緊張を活かし感動を伝えるには「コツ」があることを発見し、人生が好転し始める。その体験から得た学びと技術を、著書『緊張して話せるのは才能である』(宣伝会議)で執筆。経営者の個性や才能を引き出す「トップ・プレゼン・コンサルティング」を開発。経営者やマネージャーを中心に600人以上のプレゼン指導を行っている。また月刊『広報会議』では、2014年から経営者の「プレゼン力診断」を毎号連載中。50社を超える企業トップのプレゼンを辛口診断し続けている。NHK、雑誌「AERA」、「プレジデント」、「プレシャス」、各種ラジオ番組などのメディアでも活動が取り上げられている。その他の著書に『DVD付 リーダーは低い声で話せ』(KADOKAWA /中経出版)。 永井千佳オフィシャルサイト Twitter:@nagaichika