かんしゃく持ちだが懐は深い?

成毛眞(著)『amazon 世界最先端の戦略がわかる』(ダイヤモンド社)

会議の席でベゾスの意に沿わないと当然ながら罵倒される。「俺の人生を無駄遣いするとはどういう了見だ」と言うらしい。いちいち怖い。別のミーティングでは「そんなに頭が悪いのなら、1週間ほど考えて少しはわかるようになってから出直して来い、と罵ったことがあった」とも。怒りが爆発した時は凄まじく、怒るときには感情を抑えることができなくなるため、感情を制御するために専門のコーチを雇っているとの噂もあるほどだ。

同書は、ベゾスの恐怖政治の側面や勤労環境の厳しさを浮き彫りにしているが、ベゾスは著者に社内の取材の許可を出している。当然、取材すればベゾス本人や会社の評判にマイナスになる情報が出てくることは理解しているだろうから、じつは懐が深い人物なのかもしれない。

成毛眞(なるけ・まこと)
書評サイト HONZ代表
1955年、北海道生まれ。中央大商学部卒。マイクロソフト社長を経て投資コンサルティング会社インスパイアを創業。書評家としても活躍。著書に『黄金のアウトプット術 インプットした情報を「お金」に変える』『成毛流「接待」の教科書 乾杯までに9割決まる』『AI時代の子育て戦略』など。
(写真=ロイター/アフロ)
関連記事
アマゾン無敵の源は"マケプレの預り金"だ
アマゾンに楽天が"一生追いつけない"理由
なぜ、アマゾンの倉庫番は走らないのか
アマゾンも参戦"QRコード決済"のうまみ
"GAFA"でアマゾンが一人勝ちになる理由