アマゾンプライムの年会費が4900円から5900円へと引き上げられる。経営コンサルタントの鈴木貴博さんは「そもそも日本の年会費は欧米に比べてとても安い。来年以降、追加で値上げをすることは十分考えられる」という――。
米アマゾン・ドット・コムの物流施設に掲げられた同社のロゴ(フランス・オニー)
写真=AFP/時事通信フォト
米アマゾン・ドット・コムの物流施設に掲げられた同社のロゴ(フランス・オニー)

「お急ぎ便無料」だけで元が取れているはず

Amazonプライムの年会費が現在の4900円から5900円に値上げされることが発表されました。

「いよいよ来たか」

というのが私個人の正直な感想です。月額契約の方は500円から600円に値上がりになります。

Amazonプライムはアマゾンのプレミアム会員サービスです。アマゾンは公式には国別の会員数を公表していませんが、2021年にメディア・パートナーズ・アジアとインテージが行った調査では日本には1460万人の加入者がいると推定されています。

私も会員のひとりです。Amazonプライムに加入する一番のメリットがお急ぎ便の配送料無料です。アマゾンのアカウントサービスのマイページを確認すると私の場合、この4カ月で配送料が7210円分お得になったと表示されています。私の場合、昨年も1年間で2万円以上配送料が得になったと表示されていました。コンスタントにアマゾンを利用する顧客はこの配送料無料だけで年会費の元が取れているはずです。

年会費4900円はお得な価格設定だった

次に会員がよく使うのがPrime Videoです。『シン仮面ライダー』などの新作映画、『推しの子』などの人気アニメ、『バチェラージャパン』などアマゾン独自制作作品などの動画コンテンツが無料で視聴できます。

我が家ではアマゾンのFire TV Stickという別売りのデバイスを大画面テレビにつけることで、こういったコンテンツを日常的に楽しんでいます。このPrime Videoのコンテンツラインナップがいいことが日本でネットフリックスやディズニー+(プラス)などの動画配信サービスが伸び悩んでいる一因でもあります。

これだけ便利なサービスですから年会費4900円というのはお得な価格設定で、それが月100円、ないしは年1000円値上げされると聞いても正直、

「仕方ないな。便利だし、値上げラッシュのご時世だから」

と思います。日本では値上げをしても解約せずにそのまま使い続ける人が大半になると予測します。

とはいえこの先、ディズニーランドのように毎年値上げが行われるのでしょうか? そして他のサブスクサービスにこの値上げの動きは広がるのでしょうか? この先どうなるのか? 3つの疑問について予測してみましょう。