アメリカの政府機関が米アマゾンを訴えた

米Amazonの有料会員制度であるAmazon Primeについて、米連邦取引委員会(FTC)は6月、退会の困難さを問題視。消費者の明確な同意なしに不当に料金を請求し、通商上の欺瞞ぎまん行為を禁じたFTC法第5条に違反したとして、米シアトル連邦裁判所に提訴した。

段ボールにアマゾンプライムパッキングテープ
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入会は注文時に1~2クリックで完了するが、退会時には「退会」ボタンを押しても延々と引き留め工作のページが表示されるなど、退会の意思を妨げていると指摘している。

この複雑なプロセスは意図的に設けられたもので、米Amazon社内では引き留め工作の一連のプロセスを、長大な叙事詩の名にちなみ、「イリアス」のコードネームで呼んでいた。4月に一部改善されているものの、以前は解約時には最低4ページの遷移、6回のクリック、15のオプションの検討が必要という複雑さだった。

FTCは退会が「故意に」複雑な操作となっているほか、意図せず入会されてしまう仕様も問題視。訴状を通じ、Amazonがユーザーの誤操作を誘発する紛らわしい画面設計の「ダークパターン」を用い、「何百万人もの消費者をだまして」加入させたと指摘している。

FTCによるとAmazonプライムは世界最大規模のサブスクリプション・サービスであり、年間250億ドル(約3兆5000億円)の収益を同社にもたらしている。