誤りその2:自社商品やサービスの特長を伝えてしまう
商談の場で営業パーソンは当然、自社商品やサービスの特長、素晴らしさを強調します。モノを売り込む場合、それが必要不可欠なことであるのは、いつの世も変わりありません。
しかし、いまやそれだけでは受注を勝ち取れない時代となっています。自社商品やサービスの特長を伝えるだけの営業を行っている営業パーソンは、競合他社との競争に敗れ、あるいはまた、より大きな商談に発展するチャンスをつかみそこなうことになるでしょう。
前述した通り買い手側が圧倒的に強い今の時代、狙うべきは、見込み客以外の、まだ課題が明確になっていない「川上」のお客様。その「川上」への営業で最も大事なのは、自社商品やサービスの特長を伝えることではないのです。
誤りその3:自社実績の豊富さを一方的に強調する
自社商品を売り込みたいと必死の営業パーソンは、例外なく、次のようなことを説明します。
業界においてわが社がどれほど高い地位を占めているか、得ている定評がどれほど高いものであるか。どのくらい多くの顧客に、自社の製品が利用され喜ばれているか。製品の品質の素晴らしさだけでなく、企業としての誇るべき歴史や業績も、一方的に強調しがちです。
しかし、その種の話は、実は相手にほとんど興味を持ってもらえません。それでは何を語るべきなのか。それは目の前のお客様と共通点のあるケースについてです。
これまでどんな顧客を相手にどんな事業計画を実現するお手伝いをしてきたか、こんな課題を抱えていた企業でそれを解決してきましたなど、お客様と共通点のあるケースの実績を語ること。例えば、「御社と同じ30名程度の企業で、業務的にも共通点のある化粧品会社への提案で、こんなことを実現してきました」等々。
お客様にとっては自分のところと共通点のあるケースこそ、そこでの実績は参考になり、価値ある情報となるのです。