※本稿は、高橋研著『AIに駆逐されない営業力 実践!インサイトセールス』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
買い手が圧倒的に有利な時代
現在、営業の世界では「問題解決型営業」が主流です。しかしながら、多くの営業パーソンは、従来どおり、お客様の課題を把握して適切な解決策を提案しているにもかかわらず、すぐに「それ、買いましょう」の返事が得られない状況に陥っています。
その原因は、競合各社も同じことをしているからです。結局、見積額の高低、スペックの優劣、納期の長短など条件競争となり、売る側はコンペ状態に陥って、そこから抜け出せないという不利な立場に立たざるを得ません。何か買おうと決めた時、人が次に考えることは、「なるべく安く買おう」です。売る側は、受注を獲得するためには薄利もやむなしということになってきます。
ーケット全般を見渡しても、家電品やIT機器類に象徴されるように、現在は高性能品が驚くほどの安価で売られ、しかも次々に次世代製品が市場に現れ、各製品は短期間でたちまち陳腐化してさらに価格低下を強いられます。「買い手」が圧倒的に有利で「売り手」にはきわめて厳しい環境です。
御用聞きではなく、顧客のニーズを先回りせよ
では、どこへ向かうべきなのか? その答えが「インサイトセールス」なのです。インサイトセールスとは、お客様が抱えている目先の問題を解決するだけではなく、お客様のニーズを先回りして情報提供や提案をする営業スタイルです。
このインサイトセールスの視点から、従来のソリューション営業では「売れない理由」を4つにまとめました。