5:不本意な人事異動を言い渡されたとき
即答で「わかりました」と全力投球
組織の論理で動く人事は、個人にとって受け入れがたい場合もあろう。
「その異動に私は適性がないと思います」
「自分の能力を活かすにはいまの職場が一番です」
そんなふうに冷静を装って主張する人もいれば、「オレは優秀なのに、なんでこんな職場に回されるんだ」「上司はバカばっかりだ」と感情をあらわにして怒り出す人もいる。
しかし、いずれも二流ビジネスマンのもの言いにすぎない。一流のビジネスマンはそんな愚痴を言わず、「わかりました」と即答して、行った先で全力を尽くすことを考える。
「たとえば開発のエースが工場の品質管理に回されると、みんなが左遷だと思います。でも本人は腐らずにこの工場を品質ナンバーワンにしようと取り組み、本当に実現します」
一流のビジネスマンはどこに回されようと、新しい職場でプロフェッショナルになれるのだ。
二流:ここでは私の能力を発揮できない
自分の適性を主張
一流:新天地でも全力で取り組もう
受け入れて次に備える
キヤノン電子代表取締役社長
1940年、栃木県生まれ。67年キヤノン入社。96年常務取締役生産部長。99年より現職。環境経営の徹底で6年で売上高経常利益率10%超の高収益企業へと成長させる。著書に『見抜く力 リーダーは本質を見極めよ』など。