正社員vs.非正規 互いの愚痴の源も「自分は被害者」
このようにお互いが被害者意識を抱き、不満と怒りを募らせることは、非正規社員と正社員の間にもあるようだ。非正規社員は「正社員は高い給料をもらっているのに、ろくに働かず、面倒な仕事は全部私たちに押しつける。それなのに、仕事がなくなったら真っ先に切られるのは私たち」と愚痴をこぼす。
一方、正社員は「非正規社員には、責任感のない人が多い。注意したら、次の日から来なくなる。それに残業もしないので、何かあったら私たちが尻拭いをさせられる」と不満を漏らす。
▼ワーママvs.独身女性 共に腹が立つのは「自分が報われないから」
同様の関係は、育休明けで時短勤務をしている女性社員と独身の女性社員の間にも見受けられる。
時短勤務の女性社員が「勤務時間は短いのに、フルタイム勤務と同じ成果が求められる。そのくせ、給料は少ない。育児、家事、仕事で大変な思いをしているのに、早く帰る時に白い目で見られて、腹が立つ」と愚痴をこぼせば、独身の女性社員も「時短勤務の社員が早く帰るので、その分私たちの仕事が増える。こっちが尻拭いしてあげているのに、そのことへの感謝もないので、報われない」と不満を漏らす。
こうした関係は、家庭や社会でも認められる。
▼共働き世帯の夫vs.妻 「家事をやらされている自分」はかわいそう
たとえば、共働きの家庭では、「私も働いているのに、家事も育児もほとんど私がやっている。たまに夫が手伝ってくれても、お皿に汚れが残っていたり、洗濯物がしわくちゃになったりするので、結局私がやり直さないといけない」と愚痴をこぼす妻が多い。
一方、夫も「夜遅くまで働いてクタクタに疲れて帰っているのに、『全然手伝ってくれない』と愚痴を聞かされる。土日くらいはゆっくり休みたいのに、『私も働いているんだから、休みの日くらい手伝って』と頼まれる。手伝っても、『やり方が悪い』と文句を言われるので、腹が立つ」と不満を漏らす。