「自動運転」の責任を負うのは、自動車メーカー?ドライバー?

レベル1,2の「運転支援」とレベル3,4の「自動運転」の間には、大きな違いがある。後者の定義では、「ドライバーの安全運行の責任」という表記が消えているのだ。

この見解は国交省も同じで、今回のテスラの事故に際して出された報道発表では、

「5月に米国において事故が発生したテスラの『オートパイロット』機能を含め、現在実用化されている『自動運転』機能は、運転者が責任を持って安全運転を行うことを前提とした『運転支援技術』であり、運転者に代わって車が責任を持って安全運転を行う、完全な自動運転ではありません」

と、書かれている(国土交通省:http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha07_hh_000216.html「現在実用化されている「自動運転」機能は、完全な自動運転ではありません!!」 )。ここでも、運転支援と自動運転の線引きは、ドライバーが安全運転の責任を持つかということになる。

では、自動運転では、誰が安全運転の責任を負うのだろうか。ボルボの研究開発担当上級副社長・ピーター・メルテンスは2015年11月19日のリリースで次のように述べている。「自動運転モードでの走行の際には、自動車メーカーが車両の動作に全責任を負うべきと強く考えています。もし、自動車メーカーが責任を回避すれば、自動運転技術が信頼されないのは明白です」。

ボルボでは「自動運転が可能になれば、ドライバーは時間を有意義に使える」として、ドライバーが完全にハンドルから手を離し、前方を注意していないイメージ画像を公開している。またボルボでは、もしこの状態で自動車の事故が起きたとき「自動車メーカーが車両の動作に全責任を負うべき」とも述べている。