ドナルド・トランプ米大統領は、就任前から自動車業界に口先介入してきた。その中で日本の自動車メーカーに対しても、トヨタなどをやり玉に挙げ、米国に工場を造るよう圧力をかけてきていた。

しかし、フォードやクライスラーなど米国メーカーが国内の投資や雇用を拡大すると発表したときは即座にツイッターで感謝の言葉を送ったのに対し、トヨタが同様に5年間で100億ドル(1兆1180億円)の米国投資計画や新工場に約6億ドル(680億円)の追加投資を発表しても、トランプ氏からは何の反応もない。

トランプ氏にとって、自動車は日本との貿易交渉の手札の一つだ。TPPの離脱を表明した今、今後日本とは二国間の枠組みで自由貿易協定を交渉していくことになる。自動車を中心とする日本との貿易不均衡に圧力をかけながら、その後の交渉材料にするつもりなのではないか。トランプ大統領の発言は自動車といった特定の業界ではなく、二国間の通商政策という観点で捉えないと、真意を見誤ることになる。

(構成=衣谷 康)
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