疲れと雑念が、人を浪費に走らせる
(3)のコンビニもかなり手強いです。コンビニに連日のように立ち寄る習慣がついてしまっていると、何も買う予定がなくても、帰宅の途でつい誘蛾灯に集まる虫のように、ついふらふらっと夜のコンビ二に吸い寄せられがちです。そして、気づけば財布を開いている。
一度店内に足を踏み入れると缶ビールを買う、ツマミの惣菜を買う、プレミアムスイーツを買う、最後にレジでタバコを買うなど、本当は欲していないモノやなくてもよかったモノを「ついで買い」させる仕掛けが店内の随所に見られます。それにまんまと乗って「上得意」になってしまってはいませんか。
ちなみに、僕は自制心を働かせる力が弱く「誘惑に負ける自信があります」ので、最後にコンビニに立ち寄ったのがいつなのか覚えてないくらい行っていません。
日常生活は、実験室の無機質な「何も無い」環境とは全く条件が異なります。
帰宅途中、頭の中には様ざまな雑念がよぎっています。
「あした課長から頼まれた資料を作らなきゃ」
「今週中に出張の旅費の精算をしないと」
「お! 飲み会の誘いのメールだ。何を着ていこうかな?」
「そういえば、宅急便の不在通知が置いてあったな」
「腹減ったな~」など。
さまざまな雑念が頭を占領しているなかで、仕事帰りの夜道でいつものコンビニの店内照明が煌々と灯っている前を通ったら、果たして「マシュマロを見ない」、「マシュマロを遠ざける」ことを実行できるでしょうか。
帰宅途上のビジネスパーソンは、通勤ラッシュなどで体も頭の思考能力も疲れていてスキだらけ。イチコロで、誘惑に負けそうです。
しかし、通勤経路は分かっていますから、周到なイフ・ゼンプランを作ることは十分に可能ですし、あるプランが上手く機能しなければ代替のプランはいくらでも考えられそうです。そうすれば「雑念がいっぱい」の脳であっても自制心が働きやすくなります。
自制心が働きやすいようにするために、街にあふれる自分にとってのマシュマロを「見ない」「遠ざける」イフ・ゼンプランが、冗費の節約と種銭の貯蓄、ひいては富裕層への道へとつながっています。