「2020東京五輪」最終プレゼンにもTEDメソッドあり!
2020年夏季五輪・パラリンピックの開催都市決定の最終プレゼンテーション。大学時代に骨肉腫で右膝下を失いながらもスポーツに励んだパラリンピアン・佐藤真海さんなど、プレゼンに臨んだみなさんは“マイストーリー”を語りました。
そのストーリーが聴衆の心を掴んだことも東京勝利の要因だと思います。多彩な図解を見せつつ感情に訴求するドラマ性のあるプレゼンにすることは、TEDのメソッドにも通じます。
いかなるプレゼンも、“勝負”は冒頭。聴衆をドキッとさせ、心をつかめるか。
仕事のプレゼンも同様で、ある商品を何のひねりもなくプレゼンする人がいたら、それはただ単に営利目的の「売り子」です。でも、例えば、「病弱の家族のためにつくった商品を多くのみなさんに利用してほしい」といったエピソードがあると、相手も話を少しは聞く気になるかもしれません。
有名なTED講演に料理人、ジェイミー・オリバーが食育の必要性を説くものがあります。彼はある小学校で、トマトを片手に、これは何かと聞くと子供がジャガイモと答えるなど野菜知識のイロハのイも知らない状態に衝撃を受け、そのエピソードを元に聴衆を惹き付ける見事なプレゼンをしました。
強力な実体験に基づいたストーリーを提示して、共感を得ることがプレゼン勝利の条件なのです。
【1】MAP化
▼「直径8km」の規模感を地図でビジュアル化
「競技施設などが都内の直径8km範囲内に収まる」ことは東京にとって重要なアピールポイントだった。数値を表現するだけでなく、そのコンパクトさを俯瞰して「8kmってこんな感じ」と見せたプレゼンは鮮やか。
▼応用すると……
「社員の役割分担を示す資料をつくるなら、サッカーになぞらえて、ピッチに企画担当者を攻撃の要のMF、ゴールを狙う営業担当者を最前線のFW とする配置の図版をつくるなどすれば理解しやすい」(清水氏)
「数字にリアリティを与えるには具体化すること。アメリカで1年に消費されるピザの面積は450平方キロメートルと表現するより『山手線内7個分』または『東京23区の4分の3』が埋まる量などと実存するスペースに言い換えれば想像できる」(清水氏)