プレゼンに苦手意識のある人は何を心がければいいか。元ドリームインキュベータ代表で経営コンサルタントの古谷昇さんは「プレゼンの要素は、構成やスライドの書き方などの『パッケージ』と喋りがうまいかどうかの『話法』の2つである。しかし、プレゼンが下手な人に話法の部分的な細かいテクニックを教えても混乱を招くだけで上達しない。教えるのは『声を大きく』『スライドを見ない』『テンポを変える』の3つのコツだけでいい」という――。

※本稿は、古谷昇『コンサル0年目の教科書 誰も教えてくれない最速で一流になる方法』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

プレゼンテーションを行う日本人男性ビジネスマン。
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです

経営コンサルに必要な「知恵」を会得するための方法

わが身を振り返ってみると、コツを会得することでノウハウを身につけるというのは、経営コンサルタントに向いている方法でもあったようだ。

というのは、私はこれまでずっと経営コンサルタントをやってきて、他の業界を経験していない。にもかかわらず、20年以上の長きにわたって、常に異なる業種、異なる会社、異なるテーマを扱ってきた。

特定の知識や手法に頼っていたら、このようなことはとてもできなかったはずだ。

じゃあ、私は何を頼りにやってきたのか。

これは自分の専門分野だから自信を持っていえる。

私はこれまで、経営コンサルタントとして生きていくには、煎じ詰めれば「知恵を出せるかどうか」の一点にかかっていると思い定めて、あれこれ自分なりに工夫を凝らしてきたつもりだ。いまでは、これができさえすれば、どんな業界のどんな会社に行っても怖くないと思っている。

そして、その知恵を出すための基本原理は何かといえば、やはり物事の本質をつかむことで、そこからコツを引き出し、しかもそのコツをしっかりと会得することなのだ。

ここにおいて、「コツで学ぶ」ことと「知恵の出し方」(あるいは、経営コンサルタントに向いた学び方)とが、非常にうまく交差することになる。