【4】使ってはいけない言いまわしにはどんなものがありますか?
よくない言いまわしの代表例が否定語。たとえば「営業に確認しないとはっきりしたことは言えません」。これは「曖昧な回答を申し上げてご迷惑をおかけするといけませんので、営業に確認して折り返しご連絡を差し上げます」にする。「同じ意味でも感じ方は大きく変わるのです」(古谷氏)。
【5】怒っている相手にどう対応したらいいの?
電話対応のコツは相手の心理を読み、ステップを踏んで話を進めることだ。最初は聞くことに徹する。相手は怒りたい、文句を言いたくて仕方がないのだ。誠実に聞くことで相手のガス抜きができる。冷静な話ができるようになったところで、解決策、問題の落としどころを探るようにする。
◆リアクション → こうした事態に陥った原因を語るべきか、相手が被った不利益に対して、こちらはどう対応するのか
◆話のまとめ方 → 早く終えようとしない・謝罪を述べて終える・電話を切るときにも配慮
【6】シチュエーションを変える3つの方法
事態が解決に至らないときはシチュエーションを変えることで打開できるケースも少なくない。まず電話対応者(人)を代える。若い担当者から上司に代われば、会社の対応の本気度が感じられる。次に時間を変える。
「上の者に確認して1時間以内にご連絡差し上げます」とすれば相手の気分も変わる可能性がある。そして場所を変えてみる。「電話ではご納得いただけないようなので、御社にうかがいます」。
◆時間を変える=クールダウンさせる (例)電話を一度切って折り返す
◆場所を変える=誠意を伝える (例)応接室へ通す直接訪問する
【7】やりとりはどのように残したらよいのでしょうか?
電話対応は必ずメモを取りながら行いたい。論点が整理でき対応策を取るうえでも役立つ。相手が脅迫的な言葉を使うようであれば、録音しておくことも大切だ。
古谷治子
企業のCS対応教育を行う「マネジメントサポートグループ」代表。20年以上クレーム対応の指導をしてきた実績を持つ。『速習クレーム対応』など著書多数。
西出ひろ子
慣例に則るだけでなく「相手の立場にたつ」マナー論を確立。顧客満足度No.1企業を多数輩出してきた。著書に『一生恥をかかない! マナーの鉄則』など。