顧客、取引先、上司を怒らせてしまった。誰にでも起こる大ピンチ! ミスを帳消しにする謝罪で、以前より良好な人間関係を築ける人もいる。現代人にとって必須のライフスキル、「謝り方」を徹底検証する。

Q.

あなたはあるIT企業の法人営業担当。お客様に納入したシステムに不具合が続くため、商品の提案ミスではないかと連絡があった。急いで訪問するとお客様の担当者は落ち着いた口調で、ロジカルにこちらの非を並べ立てる。どうすれば無事落着するだろう?
【A】「私どもでそこまでは気が付きませんでした。勉強になります」と静かに答える
【B】「先ほどおっしゃったこと、少し違っているようですが」と指摘する
【C】「申し訳ありません。なぜこういうことが起きたかというと……」とすぐに原因を説明する

メモを取ることの2つの意味

一方的に怒鳴りつける人とは対照的に、理路整然とこちらの過失を突いてくる人もいる。このタイプへの応答は「おっしゃるとおりです」「そこまでは気が付きませんでした」の繰り返しが基本となる。「勉強になります」というのもよい。

「そう繰り返していると相手は『言っていることは伝わったし、自分もネタが切れてきた』という感じになってきます。理詰めでくる人にはつい対抗したくなりますが、時間の無駄です。挑発されても、乗っかってはいけません。そんなときは『すみません、お手洗いに行ってもいいですか』とでも言って場を崩すといい。戻ってきたら『話はどこまでいきましたでしょうか』と言えばよいのです」(苦情・クレーム対応アドバイザー 関根眞一氏)

ただし、ヒステリックなタイプに対して場を崩すのは禁物。怒りを増幅させる恐れがある。

理詰めタイプにもう一つ有効な手段が、目の前でメモを取ることだ。内容の記録はもちろん、「あなたの話をきちんと受け止めています」という姿勢を示すためである。