「御出席」の「御」に取り消し線は必須なのか

結婚式の招待状は、「御出席」の「御」に取り消し線を引き、返信用の宛名の「行」を「様」に書き換えなければならない――。そうしたマナーは、どれほど重要なのでしょうか。

こうした敬語表現は、新郎新婦側を立てて、自分自身がマナーをわきまえた人間であることを証明する行為です。しかし、必ずしも絶対に守らなければいけないルールではありません。

もちろん書き換えるに越したことはありませんが、社会人としての心得程度に捉えておけばよいでしょう。たとえ修正を忘れたからといって、新郎新婦の信用を失うことにはならないでしょう。

なぜなら新郎新婦は、結婚式を成功させて綺麗な思い出を残すのが最優先だからです。自分たちの晴れの舞台を汚さないために、一枚一枚の招待状の宛名書きをわざわざチェックして、「行」を「様」に換えなかった人に目くじらを立てることはないのです。

実際に、私はこれまで30年以上ウエディング業界に携わってきましたが、新郎新婦からのクレームは非常に少ない。こうした礼儀やしきたりのミスは、当事者が神経質になりがちなものですが、往々にして相手側は気にしていないものです。

それよりも重要なのは、招待する側の立場を考えて、速やかに出席可否の返信を行い、メッセージ欄に気持ちの込もった一言を添えることではないでしょうか。一つ一つの作法やマナーが正しいかどうかという以前に、相手に不安な気持ちを抱かせず、人生の門出を祝う思いやりを伝えるべきです。

特に昨今では、結婚式の出欠確認をネットやLINEで完結させる慣習が増え、紙の招待状の存在価値は薄れています。

招待状
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