不調の日の前日、食べたのは?
「体質やストレス耐性も違えば、仕事のスタイルも違うので、他人との比較は参考になりません。マネジメントでは、自社の業績を他社比ではなく、前年比、前期比で見るのが原則。疲れも同じです。自分がどんなときに疲れが出てくるのか、体に起こっているファクト(事実)を経時的に観察することで、自分の疲れに合った対処法を見つけることができるのです」
そのために裵氏がすすめるのが「カラダ手帳」だ。特別な手帳は必要ない。普段使いの手帳やスマホのスケジュールアプリなどに、その日の疲労感や体調、睡眠時間や食事内容などを毎日メモするだけでいい。
「仕事のサイクルに合わせて1~2週間を1単位にし、2~3サイクルぐらい続けると、仕事の状況と疲れ具合、睡眠や食事などの生活習慣との相関関係が見えてきます。例えば、深酒の翌日は集中力が低下するとわかったら、『大事なプレゼンの前日に深酒する』という選択肢は消えるはず。パフォーマンスを低下させる『地雷パターン』を見つけ、それを避けて通るのが疲れマネジメントの基本です」
疲労の原因はさまざまあり、観察すべきファクトも複数あるが、裵氏は、これから「カラダ手帳」を始めようという人に「睡眠を制するものが疲れを制すと言っても過言ではありません。まずは睡眠にフォーカスしてやってみるといいですね」とアドバイスする。