「共感」の基本は、相手の話に耳を傾け、要点を繰り返してやること。だが、女性は感情の機微を敏感に察知する生き物である。心がこもっているかどうかは、すぐに見抜かれてしまう。

そこで意識すべきなのが「自分事コミュニケーション」だと前川氏。

「例えば、女性社員が仕事で成果を出したとき、『よかったね』と声をかけるだけでは、いかにも他人事です。『うわぁ、僕も嬉しいな』と、わが事のように喜ぶなど、喜怒哀楽を一緒に感じていることを伝えるのが『自分事コミュニケーション』です」(前川氏)

それも「『やったあ!』と小躍りするぐらい、できるだけ大げさに表現したほうがいい」と話すのは、女性活躍コンサルタントの秋田稲美氏だ。

「結果を出して一番嬉しいのは本人ですが、職場ではしゃぐわけにはいきません。そこで上司が大げさに喜んでくれたら、『自分の思いをわかって、代弁してもらえた』と嬉しくなります。女性は他人の役に立ちたい気持ちが強いので、特に失敗したときにこそ一緒に悔しがってもらいたいもの。日本の男性は苦手としますが、『女子を味方につける』ためには、感情を表現する力が求められるのです」(秋田氏)

こうした大前提に立って、以下では「相手の年齢別」に声かけのコツを紹介していくが、テクニックだけに走るとすぐに見透かされてしまうということは肝に銘じておきたい。