「女性の活躍推進」の重要性は、今さら政府に言われるまでもないが、日々の女性社員とのコミュニケーションには、頭を抱えてしまう。今回はそんな「40代男性マネジャー」を主人公に設定し、「女心」に響く年齢別の声かけのポイントを男女2人の人材育成のプロに教えてもらった。
男と女の間にある「すれ違い」
「今の時代のマネジメントは、昭和の時代よりもはるかに難しくなっています。仕事に対する価値観や雇用形態が多様化し、『上意下達』の指示命令ではなく、一人一人の感情に働きかけるコミュニケーションが求められる時代になっているからです」と話すのは、多様な人材育成を手がける前川孝雄氏。特に近年は、「女性の育成」をテーマとした男性管理職向けのセミナーの依頼が激増しているという。
「『男女雇用機会均等法』施行から約30年、制度面は整い女性が長く働けるようになりましたが、現在はその土台の上で、いかに充実感をもって活躍してもらうかにテーマが移っています。その鍵を握るのが現場での男性マネジャーの働きかけなのです」(前川氏)
そこで問題になるのが、男性と女性の間にあるコミュニケーションギャップだ。年齢にかかわらず「女子」に共通するコミュニケーションの特質を、まずは押さえておきたい。
「奥さんや恋人に悩みを相談されたとき、一生懸命アドバイスをしたあげく、『そんなこと聞きたくて相談したんじゃない』と逆ギレされた経験はありませんか? これこそが、男女のすれ違いの典型です」と前川氏。
「女性が求めているのは『助言』ではなく『共感』。男性マネジャーは部下を育てるために、助言をして、問題解決をして……と考えがちですが、当の女性社員は『私のことをわかってくれていない』と心を遠ざけてしまうだけなのです」(前川氏)