「女性の活躍推進」の重要性は、今さら政府に言われるまでもないが、日々の女性社員とのコミュニケーションには、頭を抱えてしまう。今回はそんな「40代男性マネジャー」を主人公に設定し、「女心」に響く年齢別の声かけのポイントを男女2人の人材育成のプロに教えてもらった。

頼りにしたい50代のお姉様

「50代の女性社員は、40代の男性マネジャーにとって頼りになる『お姉さん』的な存在でしょう。『この仕事は○○さんにしかできません。頼りにしています』『若い人にはできない気遣いができるので、○○さんにはすごく感謝しています』などと、『感謝』の思いを日々、言葉にして伝えていくことが大事です」(多様な人材育成を手がける前川孝雄氏)

特に50代の女性は、「まわりから頼りにされることが嬉しいもの」だと、女性活躍コンサルタントの秋田稲美氏も言う。

「50代になると、女性はプライベートでは男性から『女』として見てもらえなくなります。女性にとって、これはすごく寂しいことです。男性が寂しさを味わうのは退職後、会社から必要とされなくなったときだと思いますが、女性はそれよりも早く経験するのです。年下の男性社員から頼りにされたり、相談を持ちかけられたりしたら、すごく嬉しいはずですよ」(秋田氏)

注意しなければならないのは、「お局」と呼ばれるようなベテラン女性社員の扱いだ。男性マネジャーより古くからその部署にいて、長年自分のやり方で仕事してきたため、彼女のまわりが「ブラックボックス化」していることが往々にしてあるからだ。

「その場合には、毅然と対処すべきです。『あなたのこれまでの仕事ぶりには感謝しています。でも会社の考え方はこう変わっているので、仕事のやり方も変化させてもらわなければ困ります』と。代々のマネジャーが、そこを遠慮して言わないからブラックボックス化が進んできたわけですが、組織にマイナスです。人として向き合い言うべきははっきり伝えましょう。ただし人前ではなく1対1で指摘する心配りは必要です」(前川氏)