極力相手の時間を奪わず情報をもらう
営業、設計と経験を経た今、本島さんは、いかに「人に時間を使わせないか」ということも考えている。
「情報を発信するときは常に3秒ルール。いかに読んでもらえるかタイトルを考え、ぱっと見て3秒でわかって印象に残ることを心掛けてつくる。営業時代、企画担当でポスターを作っているときに刷り込まれたことです」
そうして「一人情報局」としてこまめに発信していくうち、「その件なら直接ここに聞けばいい」「こんなのもあるよ」と、逆にいろいろな部署から情報が本島さんのもとに集まってくるようになった。
「情報は『ください』と言うだけではなかなか集まらない。でも自分から発信すると集まってくることがわかった。最初は不安だったんですが思い切って発信してみたら、自然な流れができて効率的になりました」
情報を貰うときも、極力相手の時間を奪わないように、「丸投げでください。私が編集します」と伝えて、相手が発信しやすい態勢をつくる。「人に何かをやってもらおうと思ったら、まず自分からハードルを下げて楽にやってもらうんです」。
本島さん自身、人の質問などには極力答えるようにしている。少し殺風景だったデスク周りには、観葉植物と打ち合わせ用の椅子を配置して、話をしに立ち寄りやすい雰囲気をつくった。
「大組織の中の一人一人はレベルの高い専門家集団で、社内には宝のような貴重なリソースがたくさんあるのに、活用されないともったいないですよね」
社内に眠る情報を引き出し、1枚にまとめてテーブルの上に乗せるようにロスをなくせたらと思う。
「街づくりは、1人で抜きんでても何もできない。多くの人を巻き込み、本当の意味で一緒にやっていこうと思ってもらわないといけません。結局、そこが私の原点なのかなと思います」