女性は女性アシスタントに男性より厳しい!?
また、女性管理職が男性と同等の能力を持っていると認められるためには、有能さの証拠を男性よりたくさん提供する必要がある。これが女性部下と女性上司を対立させる原因にもなる。「女性は女性アシスタントに対して男性より厳しく、細かい点にうるさい。それに、男性より必死に自分の能力を証明しようとしなくちゃいけない。だから、そのストレスを私たちにぶつけるのよ」と、ある女性秘書は言う。
だが、女性上司に対する懸念を表明するのは女性アシスタントだけではない。私と娘のレイチェル・デンプシーが共同執筆した最新著書、『What Works for Women at Work』のために行ったインタビューで、もう一つの力学が明らかになった。男性の事務アシスタントのなかには、女性上司に対して男性にはしない要求をする者がいるのである。多くのタイプのジェンダー・バイアスと同じく、この種のジェンダー・バイアスも人種による期待の違いが加わって屈折した形をとる。私がインタビューしたある黒人科学者は、白人の事務アシスタントとの関係がぎくしゃくしていると感じていたが、彼女によると、個人的な情報を明かし合うことで結びつきを強める彼らの習性を彼女が共有しないためだった。「黒人の事務アシスタントは、私が彼らの私生活について知りたがるなんて、これっぽっちも思っていないわ」と、彼女は少しホッとしたように言った。