1400kmの無給油走行に挑戦
次に燃費を伸ばせるのは、速度レンジが高めの高速・有料道路だが、エンジンで発電した電力で走るシリーズハイブリッド方式であるためEVと同様、速度を上げた時の空気抵抗の影響の増加は普通のクルマより大きめで、100km/h巡航時の燃費は推定24km/リットル。クルーズ速度を落とせば燃費は飛躍的に上がるという感触であった。
燃費に最も厳しかったのは、標高差の大きな山岳路。箱根新道、伊賀の山中を走る名阪国道、また九州内で福岡から大分の中津江村、熊本の菊池へと抜けるルートなどでは少なからず燃費を落とした。区間燃費の絶対値は20km/リットル前後と、このクラスとしては最良の部類であることに変わりはないのだが、平地での燃費性能があまりに優れているために落差が大きく感じられ、平均燃費への影響も大きい。走行距離1490.4kmを走った結果、往路の実燃費は26.3kmであった。
往路の途中、鹿児島まで230km程度を残した地点で燃料警告灯が点灯した。平均燃費計は26km/リットル台を示しており、残り10リットルと考えれば十分に走りきれそうだったが、そこまで一度も給油しておらず、燃費計の正確性や残量がどのくらいあるのかの見当もついていなかったため、燃料切れを恐れて水俣で10リットル給油。鹿児島に到着後、追加で給油してみたところ、寄り道を控えればタンク容量の60リットル以内で悠々走りきれるようだった。
そこで復路は、鹿児島から東京までの無給油走行にチャレンジしてみた。ただし、往路と同じパターンでは面白くないと考え、エコモードスイッチを切り、ノーマルモードで走った。ノーマルモードとエコモードの大きな違いは、出足の良さとエアコンの効きだ。とくにエアコンの違いは結構顕著で、オートエアコンの温度設定が同じでもエコモードのほうが温度の上下が大きい。車体色が黒だったこともあって、エコモードの時には真夏の太陽に照らされた時には少々暑く感じられることも多々あったのだが、ノーマルモードだと常にキンキンに冷やしてくれて快適だ。
九州山地を避けたものの、ラッシュ時に大阪の有料道路できつい渋滞にハマるなど、逆風もそれなりに多く、静岡付近で燃料警告灯が点灯。しかし、往路の経験で燃料残量の目安がだいたいついていたことから、無給油のまま東京まで走り抜いた。走行距離は1449.5kmで、給油量は56.53リットル。実燃費は25.6km/リットルであった。エコモードに比べると燃費はやや落ちるものの、往路の燃費を適用した時とのガソリン代の差額はせいぜい200円強というところ。快適さや楽しさを重視するなら、エコモードOFFで一向に差し支えなさそうであった。