アコードハイブリッドで3500km走破

ホンダが昨年6月発売したミドルクラスセダン「アコードハイブリッド」。ホンダの市販車初のストロングハイブリッド(電気モーターのみで走行可能)で、JC08モード走行時の公称燃費30km/リットルというミドルクラスでは他を圧倒する経済性を実現させている。そのアコードハイブリッドを3500kmほど走らせる機会があったのでリポートする。

ホンダ「アコードハイブリッド」を3500kmドライブで検証した。

試乗コースは東京~鹿児島の往復と南九州エリア内の移動。全行程にわたって一般道のバイパス主体、交通混雑の激しい大都市圏は高速道路や有料道路を使って市心部を迂回するというツーリングスタイルで走った。高速道路に比べると旅行時間ははるかに長くなるが、それでもドライブ中の平均車速は50km/hと、決して遅くはない。エアコンは常時ON、往復路は1人乗車、南九州内は2~3人乗車という条件で運転した。

アコードハイブリッドのパワートレイン「i-MMD」はエンジンを発電のみに用い、電気モーターで走行する、シリーズハイブリッドと呼ばれる方式を基本としている。高速道路を100km/h前後で巡航するときはエンジンを走行に用い、モーターが回生やアシストを行うパラレルハイブリッドモードに入るが、一般道では常時シリーズハイブリッドで駆動する。

まずはホンダが発売時に猛アピールしていた燃費だが、結論から言えば、北米におけるミディアムクラス、日本ではフルサイズに相当するセダンとしてはきわめて優秀なリザルトを記録することができた。総走行距離3483.8kmに対し、合計給油量は141.77リットル。平均燃費は24.57km/リットルであった。極端なエコランをやらず、“急”のつく運転を避ける程度のドライブでこの数値は見事。ちなみに通算の平均燃費計の数値は24.6km/リットルと、ほぼ正確な数値を示した。

往路は燃費重視のエコモードスイッチをONにして走行。夕刻に東京・青山のホンダ本社を出発し、静岡、愛知のバイパス群、三重から奈良に延びる名阪国道など、制限速度は高速より遅いものの夜間は信号がごく少ないルートを、周囲の流れに乗ってクルーズした。翌日昼間は長距離トラックが連なるなどやや交通量の多い国道2号と高速・有料道路。

アコードハイブリッドはカーナビの画面にシステムONからOFFまでの区間燃費が表示されるようになっているが、最も燃費を伸ばせるシーンは速度がそれほど上がらず、かといって渋滞も多くない地方道で、エアコンONにもかかわらずJC08モード燃費の30km/リットルを超える数値を連発した。