補助金を利用すれば「スーパーカブ50」と同じくらいで買える
2022年9月13日、ホンダは二輪事業の取り組みについて説明会を開催した。そこでは、2040年代にすべての二輪製品でカーボンニュートラル実現を目指し、ICE(内燃機関)の進化にも継続的に取り組むことが公表され、このうち電動二輪車では3つの柱が示された。
②2025年までにグローバルで、電動二輪車を合計10モデル以上投入すること。
③今後5年以内に100万台、2030年にホンダの総販売台数の約15%にあたる年間350万台レベルの電動二輪車の販売を目指すこと。
2023年5月19日、①~③の一環として「EM1 e:」(原付一種クラス)が発表された(発売日は8月24日)。EM1 e:は、国内のホンダ二輪市場で初となる一般向けの電動二輪車であり、「Honda二輪EV取扱店」において誰でも購入できる。価格は29万9200円(車両本体15万6200円+2次バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」1個8万8000円+充電器1つ5万5000円)。
国や自治体などからの補助金制度(CEV補助金2万3000円+自治体の補助金)を活用すれば、自治体や条件によるものの、高額なバッテリーや充電器込みでも「スーパーカブ50/24万7500円」程度かそれ以下で手に入る。
1994年から電動バイクを展開してきた
ホンダが歩んできた電動二輪車の歴史は長く、販売となれば1994年の原付1種の電動バイク「CUV ES」(限定200台)までさかのぼる。車両重量130kg(原付1種スクーターの1.5倍以上)のCUV ESは3年間のリース販売方式(参考価格は85万円)のみで一般向けには販売されなかったが、2次バッテリーにニッケル・カドミウムバッテリーを搭載し、61km(30km/h定地走行テスト値)の航続距離を達成していた。
2004年には、よりパーソナルユースに近づけた小型電動バイクのコンセプトモデルを発表するとともに、燃料電池システムを搭載した燃料電池二輪車の開発車両も披露している。
2010年12月、実用化へと一気に舵がきられた。ホンダは重量物の運搬や配達業務などのビジネス用途向けに開発した原付1種の電動バイク「EV-neo」のリース販売を開始する。EV-neoは当時のスーパースターだった東芝製のリチウムイオンバッテリー「SCiB」を搭載していた。