40代半ばから50代半ばの男性には「ミッドライフクライシス」と呼ばれる漠然とした不安が訪れることがあることも知っておこう。
「更年期障害でも鬱病でもなく、この期間だけテストステロンなどの脳内物質の分泌が低下して、なんとなく楽しくない、幸福感の喪失する時期。ちょうど中間管理職としての苦労や、子どもの進学などで憂鬱な問題を抱える時期と重なりますが、脳自体がそういう時期を迎えているのです。オスのチンパンジーにも同じ現象が起きます。そこで幸福感を得ようとして、女性に溺れたり、突然、仕事を変えるなどして失敗しがちな時期なので注意が必要です」(澤口教授)
心配事は誰にでもあるし、頭がそれでいっぱいになってほかの仕事が手につかないときもある。そんなときは「不安要素を紙に書き出してみることです。心配性の人は特に」と篠原教授が教えてくれた。それだけで堂々巡りの呪縛から解放されるそうだ。
1956年生まれ。滋賀医科大学卒業。早稲田大学スポーツ科学学術院教授、日本スポーツ精神医学会理事長。日暮里あべクリニック担当医。睡眠医療認定医師。
1960年生まれ。東京大学卒業。諏訪東京理科大学共通教育センター教授。平易な解説でテレビ番組などでも活躍。著書に『勉強にハマる脳の作り方』ほか。
1959年生まれ。北海道大学卒業。京都大学霊長類研究所、北海道大学教授を経て、2006年人間性脳科学研究所所長。2011年から武蔵野学院大学教授兼任。