重要な仕事をきっちりこなすにはどうすればいいか。明星大学の竹内康二教授は「期限ギリギリまで先延ばしにしてしまう人は、『行動の始発』に問題がある。日常生活のスキマ時間を活用できれば、行動を始発する頻度を上げることができる。とくにお勧めなのは、だれもが使うトイレの時間だ」という――。

※本稿は、竹内康二『めんどくさがりの自分を予定通りに動かす科学的方法』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。

トイレ
写真=iStock.com/Sorapop
※写真はイメージです

「もっと時間がある日にやろう」と先延ばし

あなたが、重要な仕事を任されたときのことを、想像してみてください。

期限はまだまだ先なので、あなたは余裕をかましています。少しずつ作業を進めれば、いい仕事ができそうだと悠長に思っています。

あなたは、雑事を終わらせておけば、この重要な仕事により集中できるだろうと考えました。どうでもいい雑事に取り掛かり、なかなか重要な仕事に手をつけません。

時折、手をつけようとしますが、どうにも気分が乗らず、時間ばかりが過ぎていきます。そうこうしているうちに、期限が近づいてきました。

いよいよあなたは、本腰を入れて仕事に取り掛かろうとします。しかし、気が進みません。作業に弾みがつきません。

どうにかこうにか集中力を奮い起こして仕事を始めても、些細なことで気が散り、全然はかどりません。

もっと時間がたっぷりある日にやろうと考えて、今日は仕事をやめました。他の仕事をしなくていい日に、一気に進めようと計画します。

期限ギリギリまで取り掛かれないのはなぜ?

しかし、その日の朝がきましたが気が進みません。そうじをして気持ちを切り替えようとしますが、終わるとお腹が減って集中できそうにないことに気がつきます。

そこで、ご飯を食べてから一気に仕事を片づけようと計画しますが、気が進みません。

こんな、先延ばしのパターンを繰り返してしまう人は驚くほど多いのです。

そもそも自分で希望して就職した会社の仕事なので、やりたくないわけではないはずです。それなのに、なぜか手が進まない。

これまでの努力が評価されて、重要な仕事を任されたこともわかっているし、その期待に応えたい気持ちがあるにもかかわらず、先延ばしする日々……。

やりたいのにやれない自分――。
「どうせやらなければならない」とわかっていても、ギリギリまで取り掛かれない自分――。

どうしてこうなるのでしょうか?