「作業など完了させなくてもいい!」でいい
「行動を始発したからには、最後まで行動を完了させなければならない」という完璧主義な発想をしてしまうと、時間に余裕があって体調が良いときくらいしか行動を始発できなくなってしまいます。
途中までしか行動できないことに嫌悪を感じるため、行動の阻止が生じるからです。中途半端な作業になることが弱化子となり、その弱化子が出現することを阻止するために、行動を始発しない(随伴性)ということになります。
そのため、行動を完了できる状況で作業をしたいと思うわけですが、時間に余裕があって体調が良いときなど、そう簡単に訪れるわけではありません。
今は余裕がないとか、体調が万全ではない、という理由を見つけては、先延ばしをしてしまうのです。
「時間に余裕がなくても、可能な範囲で少しでも作業ができれば良い」
「体調が悪くても、少しぐらいならできる作業があるかもしれない」
そういった思考を持って、最後まで作業を完了できないとしても、行動を始発させるのが先延ばしを防ぐテクニックです。
つまり、行動の完了を標的行動にするのではなく、行動の始発を標的行動にするということです。
「トイレのスキマ時間」を使わない手はない
行動の始発を標的とした場合、生活の中で行動を始発できるタイミングをいろいろと探してみることをおすすめします。
行動の成果や時間ではなく、始発を標的にすることで、行動するタイミングを創出することが可能になります。
日常生活のスキマ時間を活用できれば、行動を始発する頻度を上げることができるのです。
たとえば、よく知られた方法としてトイレを活用する方法があります。トイレの壁に覚えたい英単語や歴史年表などを貼っておいて、トイレを使用している間に記憶するようなことです。
昔からの伝統的な方法ではありますが、大変効果的です。誰もが毎日利用する家のトイレは1日5分の滞在だとしても、月に約150分滞在しています。
この時間を活用しないのはもったいない。しかも、トイレは個室で、他の人が入ってくることもありません。つまり、とても集中しやすい環境です。