自分自身の話で相手の心の鍵を開かせる
【第9の鉄則】「自己開示」の物語を話そう
プレゼンで少しだけ自分自身の話をすると、相手が心の鍵を開きます。これを、パフォーマンス心理学では「自己開示」と呼びます。
佐藤選手の骨肉腫と実家の被災は、まさに辛い自己開示であり、にもかかわらず、スポーツによって立ち直ったという話は力強い自己開示でした。
安倍首相の大学時代のアーチェリーも、ほとんどの人が知らなかったであろう、びっくりの自己開示です。
このように、プレゼンの中にちょっと自分の物語を織り込むと聞き手が乗ってきます。ただ、自慢話にならないよう社内プレゼンなどでは、そこだけはよく気をつけましょう。
【第10の鉄則】リハーサルはあがりを防ぎ、自信を得る最大の武器
日本のプレゼンターは、全員が早めに現地入りをし、徹底的にリハーサルを行いました。特に、チームプレゼンではこれが不可欠です。
日頃デスクを並べている仲間とではなく、新しい仲間とならなおのこと、チームリハーサルが必要です。自分ひとりでの練習を繰り返し、チームで合わせてさらに練習すると、回を重ねるごとにどんどん上達していきます。
その最大の証拠に、安倍首相のプレゼンが、06年の所信表明演説より、この度の13年の演説のほうがずっと素晴らしいプレゼンになっていたことです。プレゼンは、練習すればするほど進化します。場数を踏んだ人のほうがプレゼンがうまいのは、1回ごとの真剣勝負がリハーサル効果を上げるためです。
読者諸氏の皆様も、この10の法則を頭に入れて、すぐにプレゼンの練習を開始してみませんか。