つまり全部が自分であり、自分は全部の一部なんやな、と思うんです。自分を傷つけることは人を傷つけることであり、その逆も同じ。それが「慈悲」ということなんじゃないんでしょうか?
自分の根本をどう考えておくかで、そこに「慈悲」が生まれるのか、わがままな性格になるのか、というのも変わっていくような気がします。そういえば「慈悲」って言葉も初めて聞いたとき、「かっこええ響きやな」って思いました(笑)。
般若心経って、誰もが知っているわけではないけど、もしかしたらみんなも唱える機会があるかもしれないお経です。せっかくなら意味を知らんと唱えるより、わかってから唱えるほうがちょっとおもろいじゃないでしょうか?
でも、自分の本で一番伝えたかったことは「哲夫って面白いな」ってことです。こんな堅い般若心経というネタも面白く仕上げられるんや、ってことが伝われば1番うれしいですわ。
1974年、奈良県生まれ。関西学院大学文学部哲学科卒業。2000年に西田と「笑い飯」を結成。物心ついたときから般若心経や仏教に興味を持つ。著書に『えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経』(ヨシモトブックス刊)。