似鳥社長は長年、アメリカ西海岸で小売業をはじめ経済全般にわたる「定点観測」を続けている。05年、米住宅価格がピークに近づいていると感じた似鳥氏は、大不況の襲来に備え「コストダウンにより余裕資金を1年で50億円確保する」と決意した。実際に用意できたのは42億円(似鳥氏によれば「いまなら60億円以上は可能」)だったが、間接費を中心にこれだけの費用を圧縮できたのは、そもそも原価率が低いからだ。

<strong>製造の工程で木材、塗料をムダなく使い切る</strong>:ニトリは木材の95%を使い切る。通常、数cmの切れ端をつなげて使うのは手間がかかり、合理的ではない。それができるのは、工場の人件費が安いから。

製造の工程で木材、塗料をムダなく使い切る:ニトリは木材の95%を使い切る。通常、数cmの切れ端をつなげて使うのは手間がかかり、合理的ではない。それができるのは、工場の人件費が安いから。

「うちのメーカー(製造子会社)の利益率は40%。粗利じゃないですよ、営業利益率が40%です。それは木材の95%を無駄なく製品に生かしているからです。だって、すくすく育った木を使うんだからね。まるまる一本使い切ってあげる。それが木に感謝するということじゃないですか」

飄々とした口ぶりで似鳥氏が持論をぶつ。だが、なぜニトリは木材を「まるまる一本」使えるのだろうか。

(尾関裕士=撮影 ライヴ・アート=図版作成)