週末は同じく子供を持つ家族と、釣りや農園に出かけることも多い。
「息子が1歳のとき、食育になるかなと、ファームのメンバーになったのですが、親のほうも自然のなかで汗をかくことが楽しみになってきた」(悦子氏)
佐藤夫妻が農業を始めてまもなく、ファームに若い家族世代のメンバーが急増した。
「自分で種をまいたものを食べることで、生活を自分でつくるリアリティが感じられる。皆がそれを求めている時代なんだ、と佐藤はわかったようです。それは仕事にも活きます。時代の感覚を掴む必要がある佐藤の仕事では、オフの時間を充実させることも大切なことだと思います」(悦子氏)
「子供はパワフルです。うちの子は一緒に遊んでいても、僕が集中していないと怒る(笑)。そうすると遊びに集中せざるをえないから、いいリフレッシュになるんです」(可士和氏)
忙しさを理由に土日も仕事をし、結果的に効率を落としている人は多いのではないか。佐藤夫妻からは、仕事と時間のやり繰りについて学ぶ点は多い。
1965年、東京生まれ。多摩美術大学卒。博報堂を経て「SAMURAI」設立。国立新美術館のシンボルマークデザイン、ユニクロ、楽天グループ、セブン&アイなどのクリエーティブディレクションを手がける。明治学院大学、多摩美術大学客員教授。著書に『佐藤可士和の超整理術』など。