何のために仕事をするのか。この仕事をどう進めていくのか。1つのことを考え続ける「想念」の重要性を筆者の経験を交えながら考える。

名経営者は普段何を考えているのか

もう四半世紀ほど前になるが、ある高名な企業経営者の方にインタビューしたことがある。そのとき聞いた2つの印象深い話を今でもおぼえている。

ひとつは、「製品や技術を自慢する経営者が経営する会社は、先が知れている」という話。会社の長期の成長存続を図るうえで、技術的優位は限られた時間のことにすぎない。生き馬の目を抜くような技術競争の時代にあって、技術上の優位などすぐになくなってしまうというわけだ。