家事の負担を減らすことはできるのか。家計アドバイザーの下村志保美さんは「掃除や洗濯、料理だけでなく、名前がついていないような細かい雑務に時間を奪われている人が多い。まずはこの『名もなき家事』を認識することが第一歩になる」という――。

※本稿は、下村志保美『自分時間が30分増える 余裕がある人の時間整理術』(扶桑社)の一部を再編集したものです。

掃除機をかけている若い女性
写真=iStock.com/urbazon
※写真はイメージです

私たちの時間を溶かしてしまう「犯人」

「気がついたら1日が終わっていた」、「やるべきことがまったく進まないまま、時間だけが過ぎている」――。

これは私たちが、よく経験することではないでしょうか。自分でも何だかよくわからない間に“時間が溶けていた”ように、感じる方も多いかもしれません。

本稿では、この「何をしていたかわからない」時間がなぜ生まれるのかについて、一緒に考えていきましょう。

日々の暮らしを回していくうえで、絶対に必要なのが「家事」。家事と一口に言っても、実は想像以上に細かくて、やる範囲も広いものです。

細々とした「名もなき家事」が多すぎる

近年、よく言われている「名もなき家事」を、皆さんはご存じですか?

「名もなき家事」とは、掃除、洗濯、料理など、その活動がわかりやすく名づけられているもの以外の、小さくて細かい雑務のことです。

そこで今回、私が思いつく限りの「名もなき家事」を、図表1のようにリストにしてみました。

恐らくこの本を読まれているほとんどの方が、「あるある!」、「わかる!」と共感してくださると思います。と同時に、

「名もなき家事」、多すぎない?

と思われるはずです。

リストを眺めただけで、「はーっ……。面倒くさい!」となる方もいるはず。私もその1人です(笑)。

そしてこの名もなき家事こそ、私たちから時間を奪っているものの正体のひとつ。リストに挙げたのはほんの一例ですが、それでもざっと30個以上はあります。これらをひとつずつ、丁寧に、そして1人で続けていたら……。

時間がいくらあってもたりませんよね。