誰でも簡単にできて、体がほぐれるストレッチ。でも、ちょっと待ってほしい。専門家から見ると、巷には間違ったストレッチが溢れているという。トップアスリートからも多くの支持を得るフィジカルトレーナーが、やってはいけない、危ないストレッチを解説する。

準備運動で筋肉を伸ばしてはいけない

筋肉を伸ばす、伸長させるストレッチという概念が米カリフォルニア州立大学の体育学の専門家、ボブ・アンダーソンによって開発されたのが1970年代。数年で世界に爆発的に広がりました。日本にも遅れて入ってきて翻訳版も出ましたが、普及は他国より遅く、2000年になっても出版社の方が「やる人がいないから、ストレッチの本は売れない」と言っていました。売れるようになったのは、それから数年後でしたね。

ところが今、日本で普及しているストレッチは、私が渡米時に学んだそれとは少なからずギャップがあります。本来ならやってはいけないはずの動作が、ストレッチとして普及してしまっているのです。そこを詳しく解説していきましょう。

ストレッチには大まかに言って静的ストレッチと動的ストレッチの2種類があります。前者は筋肉を伸ばすストレッチ、後者は動かすストレッチです。実は本来、スポーツを行う前に準備運動として行うのは動的のほう。運動後に行うのが静的なんです。でも、日本だけは逆で、多くの人が準備運動に静的ストレッチを行っています。

(構成=西川修一 イラストレーション=中川紀子)
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