同じ築年数のマンションでも、価値が上がるものと下がるものは何が違うのか。不動産事業プロデューサーの牧野知弘さんは「立地のグレードの違いは要素としては大きい。だが、『ヴィンテージマンション』と呼ばれる富裕層が多く住むマンションが何十年経っても価値を上げ続ける理由は他にもある」という――。

※本稿は、牧野知弘『不動産の教室』(大和書房)の一部を再編集したものです。

高層マンションと街路樹が美しい横浜みなとみらい
写真=iStock.com/paprikaworks
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築年数が経っても価値が上がり続ける「ヴィンテージマンション」

ヴィンテージ(Vintage)とは、「古くて価値の高いもの」あるいは「年代もの」などという意味があり、もともとは質の高い年代もののワインなどに使われた表現です。

ファッション業界でもジーンズや古着などで価値の高いものに対して「ヴィンテージもの」などといわれます。

このヴィンテージが最近ではマンションなどにも使われるようになりました。

ヴィンテージマンションとは時代を経ても、価値が減じることなく、むしろ維持、上昇していく希少性の高いマンションを指す称号になってきています。

マンションは建物自体がどうしても経年劣化します。しかし、その劣化分を補って余りある評価を得ているのがヴィンテージマンションです。

私が考えるヴィンテージマンションは、

①立地グレード
②築30年以上
③建物デザイン、建材、内装材の質
④敷地内および周辺環境
⑤建物管理(メンテナンス、設備更新)
⑥住民の質

といったところでしょうか。

元工場街、倉庫街のマンションはヴィンテージたりえない

立地については、東京でいえば港区、渋谷区、千代田区、目黒区、文京区のグレードが高いことは超高額マンションの分布状況をみてもあきらかです。

建物の築年数については、やはりある程度の年数がたったもののほうが、地域に根差した落ち着いた佇まいになるように感じますし、歴史や文化の香りを感じることができます。ここでは勝手に築30年以上とします。

建物デザインや建装材については個別性が極めて高くなります。

建物の外装や内装にやたらおカネを掛ければよいというものではありませんが、高品質でデザイン性に優れた部材を使った建物であることが求められます。

また敷地にゆとりがあって、緑が多く、周辺環境が閑静なことも条件になるでしょう。タワマンがたつような元工場街や倉庫街ははじめから含まれないことになります。

高品質な建物であっても経年劣化しますが、劣化を極力抑えたメンテナンスや時代に応じて進化する設備を適宜更新していくことも、マンションの価値を保つ上ではとても大切なことです。