年齢を重ねても元気な人の共通点は何か。医師の和田秀樹さんは「プロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんは、70代の半ばに大怪我で筋肉が落ちてホルモン療法をはじめると、“朝勃ち”が起きて、元気も湧いてきたそうだ。三浦さんに男性ホルモン補充療法を行った札幌医科大学名誉教授の熊本悦明先生は、『男性ホルモン』という名称がよくないので『元気ホルモン』に変えるべきだと主張している」という――。
※本稿は、和田秀樹『熟年からの性』(アートデイズ)の一部を再編集したものです。
ホルモンを補充すれば男性も女性も元気になって若返る
日本人は、年をとれば意欲がなくなり、性欲も筋力も落ちていくのは老化現象だから防ぎようがないと思い込んでいる人が多いようです。
年をとってくると、そのように思い込んでしまうのは、当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが、じつは不足しているホルモンを足してやるだけで元気になって若返る可能性が高いのです。元気になって若返ると、脳の老化も筋肉の老化も遅れますから、こんないいことはありません。
「まさか!」と思う人がいるかもしれませんが、本当の話です。
医者はこのことをもっと教えてあげないといけないと、私は思っています。
女性が年をとって、50歳前後で閉経するとして、少なくともあと30年以上は生き続けるわけですし、男性にしても最近は50代でセックスを卒業する人が多いようですが、男性も女性も熟年から性的なことに対して積極的にならないことには、意欲も減退して認知症やうつ病にもなりかねません。
「積極的に快楽を求めよう」という意識になるためには、減ってきたホルモンを足してあげることです。
意欲を高めるためには男性ホルモン(テストステロン)を補充するといいと思います。
前にも申しましたように、テストステロンは一般的に「男性ホルモン」とも呼ばれていますが、女性の体内でも生成されているものなのです。
女性の体の中では主に卵巣と副腎から作られていて、性的な欲望や性的な興奮を促し、性的衝動を高める役割を果たしています。

