「受任通知兼資料開示請求及び釈明要求のご連絡」
今年1月に引退した中居正広氏の代理人弁護士5人が、5月12日、報道各社に文書を送った。
各社の報道によれば、そのタイトルは、「受任通知兼資料開示請求及び釈明要求のご連絡」。漢字18文字、ひらがな3文字と長い。
「受任通知」とは、この弁護士たちが、「(第三者委員会と)中居氏との関係に関する一切」について、同氏の代理として手続きを進める、ということをさす。次の「資料開示請求」の「資料」とは、第三者委員会が、調査報告書作成のために使った資料、そして、性暴力の認定にいたった資料等をさし、これをあきらかにするように求めているということだ。
最後の「釈明要求」とは、要するに「性暴力」という表現を使った理由について、もっと説明(釈明)しろ、という要望といえよう。
報道各社では、「中居正広氏の代理人 フジテレビ第三者委“性暴力認定”に反論」(NHKニュース)といったかたちで「反論」と報じている。実際、代理人による「要求」には、次のように書かれている。
これははたして「反論」なのだろうか。「(性暴力の実態を)
もしこれが報道各社がそう表現するように、「反論」
なぜ、引退したのか?
この「文書」に対して、まず最初に思い浮かぶのは、「では、なぜ引退したのか」、という疑問ではないか。
私は、1月23日の中居氏による「ご報告」文書について、前回記事に、同氏にたいして「記者会見か否かにかかわらず、自分のことばで、本音を残してほしかった」と書いた。
そのときも抱いた、中居氏が「心の叫びを隠しているのではないか」との印象を、今回の代理人弁護士による文書(以下では「文書」)を目にして、さらに強くした。「だったら、なんで引退したの?」という謎は、さらに深まったのである。
その謎を解くために、まずは、中居氏側が「反論」している、「第三者委員会による調査報告書(以下では「報告書」)」(3月31日公表)をあらためて読もう。

