僕には5人の子供がいるのね。男の子が3人、女の子が2人、29歳の長男を筆頭に下は5歳まで。長男の勇だけ日本人の奥さんとの子供で、ほかの子供たちはギニア人の奥さんから生まれたの。僕の仕事の関係で、日本とアフリカのギニアで、離れて暮らしているけれど、家族の結束はすごく固いよ! よくコミュニケーションをとっているし、家長の僕や、長男である勇の言うことは、下の子供たちにとっては絶対だからね。それは僕が育った環境から受け継がれたものが大きいかな。

事務所がある東京・神田かいわいにて。
来日して40年近くたつうちに、“下町大好きのギニア人”になりました。

僕は、ギニアのボッファという町で生まれ育ったの。22人きょうだいの12番目なんだよ。僕のお母さんは第2夫人で、彼女からすれば、僕は長男です。だけど、子供たちは、どのお母さんから生まれようとも、みんな平等。お母さんは、自分が産んだ子供じゃなくてもきちんと面倒を見て、かわいがるしね。もう亡くなってしまったお父さんを中心に、大家族ならではの絆の固さは、永遠に変わらない。それは、きょうだいが世界のどこにいようと、不変なんだよ。

僕のお父さんは器の大きな人だった。ボッファで生まれ育ったふつうのギニア人ならば、頑張ってもせいぜい首都のコナクリの大学に行くぐらい。だけど、僕はフランスのソルボンヌ大学を卒業し、外交官になって、世界中を回り、そして今日本で活動している。それは僕のお父さんのおかげ。彼が僕を「世界に飛び出せ!」とバックアップしてくれたから。ほかのきょうだいたちも、フランス、アメリカ、日本など各地で活躍しているよ。