カラフルなノートの子はなぜ成績が悪いのか

では、筆記具はどんなものを用意すればいいでしょうか。おすすめは学校用とは別に、筆箱、鉛筆、消しゴム、定規、三角定規などを1セット用意することです。

塾バッグを使うご家庭が多いと思いますが、多いのが筆箱の入れ忘れ。はじめから塾用の筆箱を入れっぱなしにしておけば、出し入れの手間がなく忘れることもありません。

鉛筆がいいかシャープペンシルがいいか、と聞かれることもありますが、どちらでもいいと思います。開成中学の入試問題には、表紙に「黒しんのえん筆またはシャープペンシル」と書いてあります。シャープペンシルは太めの軸で芯は2Bなど濃いめのものが使いやすいでしょう。ただ、授業中にいじったり分解したりしてしまうようなタイプの子は、鉛筆のほうがいいかもしれません。

カラフルな色ペンを使いたがるお子さんもいます。ノートを取る目的は授業を理解するためで、きれいに飾ることではありません。塗り分けに一生懸命になって、先生の話が耳に入らないようでは本末転倒です。赤と青、あと1色くらいで十分です。

7色の色ペン
写真=iStock.com/Zalina Dodokhova
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得点につながる算数のノート

ノートの使い方は、それぞれの流儀でいいと思いますが、算数の場合、注意したいのが、必ず式を書くこと。筆算の計算跡だけを雑多に書いている子は要注意です。

式を書くということは、思考の過程を整理することです。問題を解く方針を定めるといってもいいでしょう。式を立てると、「計算の工夫」ができるといったことにも気づき、ミスを防ぐことができるのです。

入試問題で解答用紙に計算過程を書かせる学校も多いですが、立式できていないと採点の対象にならないため早いうちから癖をつけておいたほうがいいのです。

また、大切なのが「余白」です。ノートについては、過度の「節約」は逆効果。ぎゅうぎゅうに詰めて書こうとする子もいますが、狭いスペースでは解いていても頭が混乱してきますし、後で見返すこともできません。「1問解いたら1行空ける」くらいのゆとりがあるほうがいいでしょう。